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住宅品質の高さを客観的に伝える3つの方法

「わが社の住宅は高品質です」と一生懸命説明しても、お施主様は、納得していない様子…。そんなもどかしい経験はありませんか?

実際に、耐震性や断熱性は各社が一定水準に達しており、スペックや等級を提示するだけでは、お施主様に「違い」を理解していただくのが難しくなっています。

こうしてお施主様が「どこも同じ」だと感じてしまうと、最終的な判断基準は「価格」へと流れてしまいます。その結果、本来伝えたかったこだわりが二の次になり、終わりのない価格競争に巻き込まれて疲弊してしまう。そんな悪循環に悩む住宅会社様が増えています。

※出典元: 新建ハウジング「普及価格帯の注文住宅で苦戦 独自化で競合回避を | 新建ハウジング」2024年1月

工務店選びの決め手は「価格」「耐震、構造、工法」がトップ2」2024年8月

そこで本記事では、建てた新築住宅の品質の高さをどう説明すればお施主様に納得してもらえるのか、現場で活用できる客観的なアプローチとしてご紹介します。

この記事で分かること=========

・住宅品質の客観的な説明が難しい理由

・住宅の高品質を客観的に伝える3つの方法

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目次[非表示]

  1. 1.住宅品質の高さを客観的に説明することの難しさ
    1. 1.1.住宅における「品質」とは
    2. 1.2.住宅性能の違いはお施主様には「差」として見えにくい
    3. 1.3.住宅品質の差が見えないと価格で比べられやすい
  2. 2.住宅の高品質を客観的に伝える3つの取り組み
    1. 2.1.①性能を「暮らしの場面」で説明できる形に言い換える
    2. 2.2.②第三者の確認を入れて「自社だけの説明」にしない
    3. 2.3.③住んでからの品質を「仕組みと記録」で示す
  3. 3.住宅品質はお施主様が分かりやすい表現で説明を

住宅品質の高さを客観的に説明することの難しさ

住宅性能表示制度そのものは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、すでに20年以上前から運用されています。この住宅性能表示制度が運用されて以降、各社とも一定水準以上の品質を確保しているからこそ、かえって品質による差別化が難しくなっていると感じる住宅会社は増えています。

ここでは、住宅の高品質を説明する際に直面する課題について、掘り下げて見ていきます。

住宅における「品質」とは

住宅の「品質」と聞くと、耐震等級や断熱等級といった数値化できる性能に着目しがちです。しかし、実際は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以降、品確法)」では、品質確保を「住宅の生産からアフターサービスまで一貫して行う枠組み」として捉えられており、性能に加えて施工が適切に行われていることや、住み始めてからも良い状態を維持できることまでが含まれています。

この定義から言えることは、品質とは完成時点の性能値だけで評価できるものではないということです。引き渡し後に経年劣化や不具合が発生したときに、適切な対応ができる体制が整っていることも、実は品質を左右する大切な側面と言えるかもしれません。

※出典元:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」2022年9月

住宅性能の違いはお施主様には「差」として見えにくい

では、品質の中でも性能についてもう少し着目してみます。

耐震等級や断熱等級などの性能指標は、確かに客観的な指標として有効ですが、お施主様にとって、数値の差は暮らしの差として直感的に伝わりにくいものです。そのため、提案時に「性能を説明したつもりでも、十分に違いを実感してもらう材料とまでは言えないか..」と感じている住宅会社もいるようです。

たとえば、耐震等級2と等級3の違いを数値で示すことはできますが、お施主様にとっては「どちらも地震に強いのだろう」と、等級の差にある性能の違いが実感されていないかもしれません。同様に、断熱性能についても「UA値が0.46と0.56の差」と言われても、それが具体的にどれだけ光熱費に影響するのか、冬の朝の室温にどれほどの違いが出るのかイメージしにくいでしょう。

「住んでから困らないのか」を自身で確認することが難しい以上、性能の違いをイメージしにくいお施主様には、例え話や具体例を交えた説明がないと理解してもらうことは期待できないかもしれません。

住宅品質の差が見えないと価格で比べられやすい

こうして性能を重視した住宅品質だけでは、お施主様はどの住宅会社に発注すべきか判断が難しくなり、その結果、「総額」「月々の支払い」「値引き額」などの比較しやすい契約価格に目が向きやすくなる傾向が現場からも伺えます。

しかし、「価格が安ければ品質は気にしていない」わけではないのが、お施主様の本音ではないでしょうか?価格以外に表面化していない潜在ニーズを捉え、その潜在ニーズに対して価値を提供できれば、価格以外で選ばれることは期待できるでしょう。判断材料が不足しているから「比較しやすい価格で判断しよう」という心理が働いているとも考えられます。

だからこそ、再価格競争から脱却し、お施主様から選ばれる住宅会社になるためには、「住宅品質」を再定義し、その価値をお施主様が実感できる説明をすることも1つの選択肢でしょう。

住宅の高品質を客観的に伝える3つの取り組み

では、お施主様が品質の差を知覚できる方法の1つとして、住宅品質の高さを「客観的に伝える」3つの取り組みをここでご紹介します。

①性能を「暮らしの場面」で説明できる形に言い換える

1つ目は、性能を「暮らしの場面」に置き換えて説明するという方法です。

断熱性能であれば「冬の朝、リビングが寒くてつらい…を減らしやすい」という表現にすることで、お施主様は自分の生活に当てはめてイメージできるようになるでしょう。

ほかにも、気密性能なら「すき間風が入りにくくなり、冷暖房が効きやすいので光熱費を抑えやすくなります」、耐震性能なら「震度6以上の地震でも揺れを大きく抑えられ、家具が転倒するリスクがほとんどありません」といった表現はどうでしょうか。

このように、お施主様の暮らしの場面に落とし込んだ後で、根拠として住宅性能表示制度の等級や数値、評価書を添えるという方法を採用している会社も増えています。先に暮らしのイメージを持ってもらうことで、その後に示される数値の意味を理解しやすくなり、品質の違いを納得してもらいやすくするというわけです。

②第三者の確認を入れて「自社だけの説明」にしない

第三者による品質の評価や認定を受けることは、客観的な事実としてお施主様は住宅会社の品質の高さを信頼しやすくするアプローチもあります。住宅会社の説明が丁寧でも、お施主様から見れば「自社の自己評価」に見えてしまうこともあるからです。

たとえば、長期優良住宅の認定は、国が定めた品質基準をクリアしているという点で、客観的な証明といえます。同様に、施工品質を第三者機関に確認・評価してもらう取り組みや、第三者機関にインスペクションを外注することも同様に有効だと考え、外注する事業者も最近増えています。これらは、「住宅会社が言っている」のではなく「第三者が確認した」と説明することができるため、より信頼されやすくなる事が期待できます。

ただし、「第三者機関が品質を確認した」と説明するだけでは、必ずしも品質の高さを証明したとはいえません。何を対象にどの範囲まで確認したのかまで説明できるよう分かる形にして提示すると、お施主様は具体的に何に対して品質が評価されているのか理解しやすくなるでしょう。

③住んでからの品質を「仕組みと記録」で示す

耐震や断熱などの性能の高さは、品確法の基準に則り、客観的に証明できる一方で、お施主様が本当に気にするのは「住み始めてからも安心して暮らせるか」「困ったときにきちんと対応してもらえるか」ではないでしょうか。品確法の定義にもあるように、定量的な性能評価だけでなく、アフターサポートの仕組みや記録で示すことも1つの選択肢です。

たとえば、「仕組み」では、定期点検の時期と内容が明確に決まっていること、点検実績が豊富であること、担当者が変わっても対応品質がブレない体制が整っていること、などが挙げられます。また「記録」では、点検結果が写真やチェック項目で保存されること、補修や相談の履歴が追えること、次回点検時の注意点が更新されていることも挙げられるでしょう。

建物長期保証サービスのような仕組みを導入すると、このような「住んでからの品質」を維持する仕組みをつくり記録として残すことができます。お施主様にとっては、仮に建物に関するトラブルが起きたときに「過去の点検内容やインスペクション結果を含めて建物の状態を正確に把握し、対応してくれる」と安心してもらえる事も、1つの品質証明として謳えるのではないでしょうか。

住宅品質はお施主様が分かりやすい表現で説明を

住宅の性能差が分かりづらい時代でも、お施主様が比較できる判断材料が揃えば、価格だけで決められにくくなることも十分に期待できます。「高品質」という言葉の強さではなく、お施主様の視点に立って説明ができると、同じ品質でも伝わり方は大きく変わるでしょう。

本記事でご紹介した「住宅の高品質を客観的に伝える3つの取り組み」は、なにか新しい技術や特別な投資を必要とするものではなく、いまある住宅品質を「伝わる形」に変えていく説明の工夫だけです。

ジャパンホームシールドの建物長期保証「建物サポートシステム」は、その取り組みに必要な機能として、施工の品質検査や引き渡し後の点検、点検結果や対応履歴の記録を行っています。「品質の高さを説明するための機能」を兼ね備えたサービスとして、ご興味がある方はぜひご覧いただき、少しでもこのサービスが参考になれば幸いです。

ジャパンホームシールド編集部
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