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20年間の住宅長期保証は必要か!?


最近よく耳にする「保証延長」や「長期保証」という言葉。今利用している瑕疵保険期間は10年で、地盤保証の期間は20年。保証が長期化する時代の流れは理解しても、自分の会社に必要かどうかの判断が難しい。

長期の保証がもたらす工務店へのメリットを解説していきます。


この記事で分かること
・住宅保証の役割と重要性
・築10年目以降に備える保証の必要性
・20年間の長期保証がもたらす3つのメリット
・住宅の長期保証が求められている


目次[非表示]

  1. 1.新築住宅における保証サービスの重要性
    1. 1.1.ライフイベントを見据えた住宅保証のニーズ
    2. 1.2.改正民法と施工品質の重要性
  2. 2.築10年目以降のトラブルに備える20年保証の重要性
    1. 2.1.10年目以降の住宅トラブルと損害が増加する現実
  3. 3.20年間の長期保証がもたらす3つのメリット
    1. 3.1.顧客からの信頼向上
    2. 3.2.住宅の高品質維持、資産価値維持につながる
    3. 3.3.顧客紹介、リフォーム需要の獲得
  4. 4.住宅の長期保証が求められている


新築住宅における保証サービスの重要性

新築住宅における保証サービスの重要性



新築住宅においての保証サービスは、購入者の不安を軽減し、長期的に安心して住む環境を提供する事ができます。


新築住宅では施工品質が保証されている事はもちろん、お引き渡し後の修繕費用など予期しないコストに対しての準備や長期的に資産価値を維持するための点検などアフターサービスの充実度は購入検討者が重視しているポイントです。


また、住宅の長寿命化に合わせて、大手ハウスメーカーを中心に住宅の保証期間は長期化の傾向にあります。ここでは、保証サービスが新築住宅にとって重要である理由について見ていきます。


ライフイベントを見据えた住宅保証のニーズ


住宅を購入する際に、長期的に安心して住むための保証を求める購入者が増えています。家電製品への延長保証を付帯するように、住宅設備にも延長保証を付けたいという購入者も増えており、それはライフステージの変化として子どもの成長に伴う教育費の増加や将来における収入変動などの不安から、リスクを減らしたいという意識が高まっているようです。


また築年数が長くなるにつれて、住宅の修繕は避けられません。住宅のメンテナンスの他にも予期せぬ費用がかかることが多く、家計に大きな負担発生してしまう可能性あります


例えば、築10年目以降で雨漏りが発生した場合、外壁と屋根の修繕費用として合計200万円近くかかると想定されます(※1)が、住宅瑕疵担保責任保険の適用外となるため、全額を購入者が自費で負担することになってしまいます。住宅瑕疵担保責任保険の「延長保証保険」を申し込む場合でも、外壁等の補修後に適用となるため、同等の負担が発生することになります。
※1 出典元:不動産・住宅サイト SUUMO「外壁外装・屋根のリフォーム費用・価格相場情報


また、ライフイベントも住宅保証の必要性を理解する上で重要な観点の一つです。子どもの進学費用や家族の医療費が発生するタイミングで、住宅の修繕費用が重なってしまうと、キャッシュアウトの総額が想定以上に高くなってしまい、家計を大きく圧迫する可能性があります。


こうした家族のライフステージを考慮すると、住宅を購入する際に将来のリスクヘッジも行うことは、家計を守るうえでも非常に重要になっていきます。


改正民法と施工品質の重要性


2020年4月に施行された改正民法では、「契約不適合責任」が導入されたことで、住宅の売主は購入者に対して契約に適合しない住宅を提供した場合、その責任を負うことが求められるようになりました。これにより、住宅の施工品質がますます重要視され、今まで以上に長く責任を求められるようになっています。


購入者にとって、住宅の保証期間はその住宅の品質を保証する指標の一つです。特に、購入者が安心して選べる住宅は、保証期間が長いほど信頼される傾向があります。提供する住宅の保証期間は10年よりも20年の方が、住宅が長期間にわたって高品質で維持されていることの証明となり購入者に安心を提供する事ができます。


築10年目以降のトラブルに備える20年保証の重要性

築10年目以降のトラブルに備える20年保証の重要性


瑕疵担保履行法における瑕疵担保保険加入により、築10年目までは瑕疵による事故は保険がおりますが、築10年目以降はどうでしょう。


築10年経過した購入者からの問合せに、「知らない、責任は無い」と言い切れるでしょうか。法的には問題が無かったとしても、今の時代なにが起きるかわかりません。瑕疵担保責任期間が終わった後に想定されるリスクへの備えも必要と考えます。


想定されるリスクを具体的に見ていきます。


10年目以降の住宅トラブルと損害が増加する現実


住宅の保証が瑕疵担保保険10年の場合、築10年を超えた後に事故が発生しても、事前に保険を延長しない限り適用されません。特に、経年劣化が進む10年目以降に発生する住宅事故や損害が多いことを考えると、10年目以降の住宅トラブルは購入者にとっては大きなリスクとなります。


例えば、瑕疵保険期間の引き渡し後から10年間の事故発生率を100とすると、11年目以降20年目までに発生する確率は約8倍※となり、事故の損害額は約3倍※となります。(※JHS調べ)
重大事故の要因は「雨漏りの放置・長期化」で、早期発見が損害拡大を防ぐことにつながります。


また、シロアリ被害で考えると、今までのシロアリ対策は5年毎の薬剤注入で5年~10年保証が一般的ですが、購入者が防蟻対策を忘れてしまったり費用が掛かるからと嫌厭してしまったりすることでシロアリ被害にあわれる方は少なくありません。シロアリ被害の対策として20年の保証がついていると購入者も安心できます。


シロアリ被害発生率は築年数に比例して増えていきます(※2)。仮にシロアリ予防をせずに被害が発生した場合、600万円を超えたケースもあります。(※3)
※2出典元:シロアリ1番!「シロアリの被害に遭う確率はどれくらい?」2023年12月
※3出典元:E-PARKくらしのレスキュー「シロアリ予防は無駄ってホント?被害にあった時の費用と予防にかかるコストを比較」2023年4月


このように築年数が増加すると住宅にトラブルや損害が多く見られ、10年間の保証では対応できないケースが多く考えられます。もし20年の保証があれば、または保証期間を延長して長期的なリスクに対応することは、購入者にとっては予期せぬ修繕費用を大幅に軽減できる予防策になります。


次に、20年保証が工務店にどのようなメリットをもたらすのか具体的に見ていきます。


20年間の長期保証がもたらす3つのメリット

20年間の長期保証がもたらす3つのメリット


顧客からの信頼向上

同じ地域に同価格帯でいつも比較されて顧客の取り合いをしていた工務店は、いち早く住宅に関する「長期保証」の全棟導入を社内で決定した結果、購入者から「施工品質が高い」「将来の不安を払拭してくれた」と高い信頼と良い口コミを得ることができ、新築住宅の受注数増加につながりました。


「長期保証」とは、住宅品質の保証だけでなく設備の延長保証なども含まれ、アフターサービスがしっかりしている証拠として購入者の目に映ります。これにより、他の工務店との差別化が図られ、顧客満足度が向上した事例も数多く報告されています。


また、長期保証があることで、万が一の事故があっても金銭での解決だけではなく、事故調査に協力してくれる保証会社であれば施主様対応や修繕対応が迅速に行われて信頼を無くすことなく、購入者と関係を維持することができると考えます。これは、将来のリフォーム需要に備える信頼を高める武器ともなるでしょう。


住宅の高品質維持、資産価値維持につながる


住宅は定期的なメンテナンスをすることで、雨漏り事故などのトラブルを回避する事ができますが、新築住宅の購入者は工務店を信頼すればするほどそこまで考えが及びません。


長期保証導入した会社の中には、20年保証を提供する工務店としてホームページで謳い、20年の保証と併せて引き渡し後の初期点検から築後10年を迎える前の点検など、定期的な点検を実施する会社とアピールする事で、ホームページからの流入客が増加し、購入検討者に安心感を提供する事ができています。


社内においても、毎年増え続けるお客様の長期的な住宅の維持管理が、人員を増やさずともスムーズに進められています。また、定期的な点検により、大規模な修繕が必要になる前に早期に問題を発見できるため、修繕コストを抑えることもでき住宅品質の維持・資産価値維持に繋がっています。


住宅の品質を保ち続けることで、中古市場での資産価値も維持され、将来的な売却時にも高い評価を得ることが期待できます。20年間の保証がある住宅は、特に中古市場でも人気が高まり、住宅の価値を維持するうえで重要な要素となります。


顧客紹介、リフォーム需要の獲得


長期保証は、工務店と購入者の信頼関係を長期間にわたって強化する効果もあります。住宅を購入した後、定期点検や補修工事を通じて、ビルダーと購入者との接点が維持されることで、リピート顧客や紹介顧客の獲得につながります


例えば、20年保証を利用して定期点検を受けている購入者が、家族や友人に対してその工務店を紹介し、結果的に新たな顧客を獲得したケースも多くあります。さらに、長期保証を通じて定期的なメンテナンスや補修工事の受注も増加し、工務店にとっては安定した売上の確保にもつながります。

購入者に対しても、長期にわたって住宅の維持管理をサポートしてくれる工務店は信頼の対象となり、リピート顧客の獲得や紹介が増えることで、長期的なビジネス成長が期待できます。


住宅の長期保証が求められている

住宅の長期保証が求められている


以上から、20年間の住宅保証は予期せぬ雨漏り事故やシロアリ被害などさまざまなリスクへの備えとして必要性が高いと考えられます。


従来の瑕疵保険10年ではカバーしきれないリスクに対しても、購入者のライフサイクルに寄り添った保証サービスが求められる時代に工務店の考え方ひとつで購入者が長く安心して暮らせる環境を提供することができます。


工務店にとっても、さまざまなリスクへ備えた長期保証の提案は、購入者からの信頼を獲得し、満足度向上やリピート顧客の増加につながるので、他社との差別化を図る大きなメリットがあります。


ジャパンホームシールドでは、このようなさまざまな住宅リスクへの保証サービスとして、各種保証を組み合わせた「長期サポートプログラム」というサービスを工務店へご提供しています。


長期サポートプログラムでは、地盤・構造・防水・防蟻のオール20年保証に加え、設備保証10年と地震保証10年を組み合わせることもできる手厚い保証プログラムとして、住宅の長期的な安全性を確保することが可能です。もしご興味がありましたら、以下の詳細ページよりご覧ください。


  長期サポートプログラム ジャパンホームシールドの「長期サポートプログラム」をご紹介するページです。初期保証20年実現をサポートします。 ジャパンホームシールド株式会社


ジャパンホームシールド編集部
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