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住宅保証サービスの契約は1社にまとめるべき?3つのメリットと2つの注意点を解説

住宅会社にとって「保証サービス」はお施主様の住まいを長く守る重要なサービスです。しかし、建物長期保証や防蟻保証、設備保証などを別々の保証会社と契約していると、説明の煩雑さや契約手続きの手間といった非効率な業務が生まれます。

そこで本記事では、複数の住宅保証サービスの契約を一社にまとめることで得られる3つのメリットと、契約前に押さえておくべき2つの注意点をご紹介します。

この記事で分かること=========

・保証サービスを1社にまとめる3つのメリットと2つの注意点
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目次[非表示]

  1. 1.複数の保証サービスの契約を1社にまとめる3つのメリット
    1. 1.1.メリット①お施主様に分かりやすく提案できる
    2. 1.2.メリット②契約手続き・管理の工数を削減できる
    3. 1.3.メリット③事故の責任所在を明確にしやすくなる
  2. 2.複数の保証サービスの契約を1社にまとめる2つの注意点
    1. 2.1.注意点①契約条件の柔軟性が失われる可能性がある
    2. 2.2.注意点②提供サービスに技術的な専門家がいるとは限らない
  3. 3.保証の契約先を一本化することで、信頼と効率を両立させる

複数の保証サービスの契約を1社にまとめる3つのメリット

複数の保証サービスの契約を1社にまとめる5つのメリット

建物長期保証、防蟻保証、設備保証といった各種保証を別々の会社と契約することは、住宅会社にとって業務上で負担となっているのではないでしょうか。しかし、これらの保証サービスを1社に集約することは、業務効率の向上だけでなく、お施主様への提案力強化や事故対応の迅速化など、多角的なメリットにも発展させることができます。

ここでは、複数の保証サービスの契約先を一本化することによって得られる3つのメリットについて詳しく解説します。

メリット①お施主様に分かりやすく提案できる

まず1つ目のメリットは、お施主様への保証内容の説明が簡潔になることです。これは、保証会社ごとに基準や前提条件が異なる場合があるため、保証ごとにそれぞれの会社のプランを説明すると、お施主様にとって理解するのに苦労したり、混乱してしまうケースも出てくるからです。

たとえば、住宅会社が建物長期保証はA社、防蟻保証はB社と契約している場合、「建物に雨漏りが起因して柱が腐朽し、その後シロアリ被害が発生すると、どちらの保証で対応できるかはそれぞれの保証会社の見解次第で変わる」可能性もあります。この説明では、「どちらの保証でどこまでカバーされるのか」がお施主様目線で分かりにくく、それぞれの意見が食い違う可能性もあることから、たらい回しにあう不安を招きやすいでしょう。

これに対し、建物長期保証と防蟻保証を同じA社で契約していれば、「もし雨漏りが原因で木材が腐ってシロアリが発生したとしても、原因調査から保証適用までA社が一括対応できるので、いずれかの保証として対応する」と説明ができます。一社の包括的な保証プログラムとして説明できれば、お施主様も本当の安心を提供ができるでしょう。

メリット②契約手続き・管理の工数を削減できる

次に、契約手続きや管理工数を削減できる点です。複数の保証サービスを別々の会社と契約すると、契約ごとに窓口や手続きが分かれ、それぞれに書類準備や問い合わせ対応が発生します。もし建物長期保証はA社、防蟻保証はB社というように契約先が分散していると、その都度別のシステムへ物件情報を入力したり、更新手続きを個別に行ったりしなければなりません。

一方、保証サービスを一社にまとめれば契約窓口が一本化され、手続きや情報管理を一元化することができます。たとえば、ある住宅会社では、長期保証や設備保証、コールセンターなどバラバラだった複数のサービスを一社に集約した結果、社内業務がスリム化されて従業員の残業時間が減少したことで、「サービスを一つにまとめるメリットを強く感じている」といいます。

このような工数削減効果は、特に物件数の多い住宅会社や複数拠点を展開する企業において顕著に現れます。契約管理業務の効率化により、営業や設計といったコア業務により多くのリソースを配分できるわけです。

メリット③事故の責任所在を明確にしやすくなる

3つ目は、事故の責任所在を明確にしやすくする点です。保証会社が別々だと、お施主様や住宅会社はそれぞれの保証会社に事故の状況や適用可否を確認する手間を負うことになります。各社が個別に調査を行い、それぞれ異なる見解を出すといった齟齬が生じれば、責任の所在が曖昧になり、どちらの保証も適用されないという最悪の事態にもなりかねません。

例えば、雨漏りによる構造材の劣化とそれに伴うシロアリ被害が同時発生した場合、複数の保証会社では「雨漏りによる被害」と「シロアリによる被害」の境界線を巡って解釈が分かれる可能性が考えられます。

しかし、保証会社を一社に統一することで、原因調査から保証適用の判断までワンストップで行われ、事故原因に対する見解が一本化されるようになります。つまり、それぞれの保障適用の視点から、責任の所在を明確にしやすくなるのです

複数の保証サービスの契約を1社にまとめる2つの注意点

複数の保証サービスの契約を1社にまとめる2つの注意点

先ほどメリットをお伝えしましたが、一本化による効率性向上は魅力的である一方、慎重に検討すべき点も存在します。

ここでは、保証サービスを一社に集約する際に考慮すべき注意点について2つ解説します。

注意点①契約条件の柔軟性が失われる可能性がある

一社によるパッケージ契約の場合、保証の契約範囲に関するカスタマイズが難しい場合があります。

例えば、防蟻保証ひとつ取っても、使用する薬剤や工法によって保証期間や内容を変えたいときに、その保証会社が対応する工法しか認めないケースがあります。ほかにも、住宅会社独自の高耐久部材や工法を用いて本来シロアリ保証を長くしたい場合に、一括保証会社の標準では5年までしか出せない、といった制約が起こりえます。

このように契約内容のカスタマイズに制約がかかる場合、保証内容で差別化を測りたい住宅会社の販売戦略に影響を与える可能性があります。特に、高付加価値住宅や独自技術を売りにする住宅会社では、保証内容も競争優位の一部となるため、標準化された保証プログラムではお施主様への訴求力が低下するリスクも考えられるでしょう。

したがって、保証サービスの契約先を1社にまとめる場合は、契約内容を調整できるか、事前に確認しておくことが重要です。

注意点②提供サービスに技術的な専門家がいるとは限らない

一社で建物・地盤・シロアリすべてを見る場合、それぞれの分野でのノウハウや対応力が十分かの確認も必要です。例えばシロアリ発生時の駆除作業や再発防止策について、専門業者としての知見や技術を持っているか、地盤事故の際に迅速に補強工事まで手配できる体制があるかなどです。

総合的な保証サービスを提供する会社の中には、すべての分野において専門的な技術者を内部に抱えているわけではなく、外部の専門業者と提携する形で対応している場合があります。この場合、一見すると品質にばらつきが生じるリスクがあります。

しかし、多様な専門業者とのネットワークを活用することで、より幅広い分野に高い専門性を発揮でき、複合的な事故原因にも対応できるのは、総合的な保証会社ならではの強みです。加えて、予期せぬトラブルが発生した際に、すべての事象に対して一時対応を的確かつ迅速に行えるかどうかも、利用者にとって大切な判断基準になります。そのため、各サービスに付帯する工事や点検の品質を、実績や専門スタッフの有無など客観的に確認しておくことが必要です。

保証の契約先を一本化することで、信頼と効率を両立させる

保証の契約先を一本化することで、信頼と効率を両立させる

このように、複数の保証を一社にまとめることは、お施主様への分かりやすい説明、契約管理の効率化、事故時の責任所在の明確化など、さまざまなメリットがあります。一方で、契約条件の柔軟性や各分野の専門性など注意すべき点も存在していることを解説してきました。

「とりあえずどこか1社にまとめればいい」ではなく、それぞれの分野における知識や技術が十分か、専門家がいなくても一次対応力があるかどうかを実績も確認したうえで見極めることが、お施主様の安心につながる提案につながるでしょう。

当社では、地盤、構造、防水に加え、防蟻が加わった4つの保証を20年間サポートするサービス「オール20年品質保証」を提供しています。各分野の専門性を維持しながら、住宅会社様の業務効率化とお施主様の安心を両立させる包括的な保証プログラムとして、多くの住宅会社様にご活用いただいております。ぜひ参考にしてください。

ジャパンホームシールド編集部
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